10/10/2026
.
麒麟像の制作に着手していた頃、ちょうど夏の始まり。
日本橋や麒麟像への熱意、そして私の隠れた楽しみでもある「暗渠探し」への密やかな情熱を、ちょこちょこストーリーズに投稿していたところ、橋やビルの建設に携わるゼネコンにお勤めのお客様から、素敵な情報をいただきました。
「日本橋のたもとから出発するクルーズ船がすごく
面白かった。橋の下もくぐれるので、ぜひ乗ってみては。」
そんなありがたいお話を聞いて、すぐに予約。
ちょうど麒麟像をモチーフにした作品の制作真っ最中だったのですが、少し手を止めて、クルーズ船に乗ってきました。
サンセットクルーズを予約し、所要時間は凡そ70分、
料金もひとり3,800円ほどでした。
気軽な気分転換のつもりが、想像以上に楽しい時間になりました。その小さな旅の様子は、乗船後すぐにストーリーズでもご紹介したのですが、教えてくださったお客様にも楽しんでいただけたようで、ほかのお客様からも「絶対に予約する!」という嬉しいお声をいただきました。
憧れの日本橋の麒麟像を、いつもとは違う角度から眺めたい。歴史ある日本橋の下を、実際にくぐってみたい。
そんな私の願望を、すべて叶えてくれたショートトリップでした。
現在の日本橋の上には首都高速道路が走っていて、
歴史ある橋の景観としては少し残念な光景でもあります。
将来的には首都高の地下化によって、日本橋の上に
空が戻る計画が進んでいるそうです。
でも、そう考えるとですね。
首都高の真下に、100年以上前に造られた石造りの日本橋が架かっているという、この東京らしい、どこか矛盾した景色も、実は今しか見られないものなのですよね。
川の上から橋を見上げ、さらにその上に重なる首都高の裏側を眺める。普段は当たり前のように見ているものを、裏側から眺める面白さがありました。
江戸、明治、大正、昭和、平成と時代の重なりを
覗き見ているような、不思議な魅力があるクルーズでした。
そんな、ちょっとマニアックな視点も含めて、とても貴重な体験になりました。ちょっと気分転換したいときに、
ぜひ予約して乗ってみてください。 いつもと違う視点から眺める東京、なかなか面白いですよ。
それから面白いなと思ったことは、船に乗っていると、
なぜか妙に気持ちがオープンになるんですよね。
普段なら知らない人に手を振るなんてこと、まずないのに、橋の上や川沿いにいる人に自然と手を振ってしまう。 向こうも笑顔で振り返してくれたりする。
水の上にいるだけで、なんだか少し特別な人になったような気分になるのでしょうか。
地上ではきっと交わすことのなかった、
見知らぬ人との小さな交流。
あれも船旅ならではの、不思議で楽しい時間でした。
今日は、そのときの景色を、少しご紹介しますね。
この日本橋のたもとから出発します。
夏の夕方、川の上を流れる風が心地よく、
なんともいい空気感でした。
案内してくれるのは、夏らしいアロハシャツを着た、
いい感じにゆるいおじさんガイド。
肩の力が抜けた語り口なのに、話を聞いていると
知らなかったことが次々と出てきて、
なかなか勉強になりました。
しかも最後には、ちょっと感動的なお話まで。
このアテンドおじさんのゆるさと歴史の奥深さの
絶妙なバランスが、短いながら船旅の気分を
いっそう盛り上げてくれました。
1911年(明治44年)に誕生した、日本橋の麒麟像。
麒麟の翼には「日本の中心から全国へ飛び立つ」という
願いが込められているそうです。
日本橋。
東京に暮らしていても、いつもと違う角度から眺めると、
ちょっとお上りさん気分に。
こういう知ったつもりでいる場所の東京観光も、
なかなか楽しいものです。
これから乗り込む船が見えた瞬間、大人になっても、
こういうのはやっぱりワクワクするものです。
このクルーズで、いちばんの見どころらしい景色。
隅田川に架かる中央大橋。その斜張橋のケーブルがつくる
三角形の中に、東京スカイツリーがすっぽりと
収まる瞬間です。
だから何だって話なんですが、笑
川の上から眺めていると、こういう景色にも
妙に感動して、思わず写真を撮ってしまいました。
夕焼けとライトアップされた中央大橋、
美しかったです。
70分のクルーズを終えて、出発地点の日本橋に
戻ってきたところです。
頭上に見えるのは首都高速道路。
ここから日本橋の下をくぐる瞬間は、思わずドキドキ。
そして、いつもは橋の上で見上げている麒麟像を、
川の上から見上げることができて感激しました。
ちなみに、日本橋が架かっている川は、
その名も「日本橋川」というそうです。
そして驚いたのが、日本橋の橋脚に残された、
関東大震災のときの火災による焼け跡でした。
100年以上前の火災の痕跡が、
今もそのまま残されているのです。
船の上から、その傷跡を間近に眺めていると、
歴史が身近なものに感じられました。